先日、てんかんの症状が始まってから病名を診断されるまでのことを1話に、
1話
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「てんかん1話」子供がてんかんと診断された日のこと
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その後、前進強直発作が起きてしまい救急搬送され、入院生活が始まるまでのことを2話に残しました。
2話
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「てんかん2話」救急車で緊急搬送、入院生活のはじまり
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今回は入院生活が始まってから、難治性てんかんと診断されるまでのことを書きたいと思います。
遂に受診・入院できた病院は県内随一の子供病院
遂に本入院できた病院は県内でも随一の医療体制が整っていると耳にする大きな子供病院でした。
とはいえ、やはり大きな子供病院ということもあり、様々な症状の子どもたちが沢山いました。
受診待ちをしている時にも息子は発作を起こしてしまったのですが、それが気にならないほど、周りに様々な病状の子がいるのを目の当たりにして「なんでうちの子だけ・・・なんて弱気になっているのは罰当たりな考えだな」と思ったのを覚えています。
自分が知らなかっただけで、子供の病気で頑張っているパパママはたくさんいる!!と勇気づけられました。
信頼できそうな先生との初対面
入院しましょう〜と先生からお話をいただいたのち、すぐに息子の担当となる先生とお話しする事ができました。
30歳過ぎと思われるのさわやか系のイケメン先生!!
病状を説明するとすぐに
と説明をしてくださり、私と妻は「この先生は頼りになる!!」とすぐに感じたよね!!と帰宅後に家で話しました。
様々な病状の同部屋の皆様との初対面
先生との会話も終わると、息子とお昼をとってすぐに入院することになる病室に入ることになりました。
新しい病院ということもあり、病室もかなり綺麗!!それだけでも親としては「子供が気持ちい環境で過ごせる!」とありがたい気持ちになります。
(そもそも2週間程度で入院も終わると勝手に予想していたため)個室を希望したものの、空いていないとのことで4人部屋に入ることになり、早速同部屋の子たちと対面することとなりました。
私も勝手に同じようなてんかんの子ばかりとイメージしていたのですが、
と感じるほど、様々な病状の子たちがいました。
改めて「なんでうちの息子だけが・・・」なんて考えを持つこと自体がナンセンスであり、現実を受け入れて今できること、最善の治療を息子に与える事が自分達・親ができる唯一の事なんだ。
なんで息子が、そんな意味のないことを考えても何も進まない!!みんな頑張ってるぞ!!と感じたのを覚えています。
初めて「てんかん」という病気とその治療について知る
実は私たち、そもそも息子がてんかんだとわかったのにもかかわらず(まだ正式に歯診断されていませんが、、、)、まだ自分達から病気のことを勉強しようとしていなかったダメダメな親なのです。。。。
そんな私たちですが、主治医のイケメン先生からはじめて、てんかんの病気のこと、治療のことについてお聞きすることとなりました。
てんかんの種類も初めて知った
そもそもてんかんに種類があること自体、知らなかった私たち。
今思えば「発作=全身を強直させて倒れてしまう」と漠然に考えていたものの、息子はそうなっていないけど「てんかん」と言われている時点で、てんかんには種類があるのはわかるはずなのですが、まだ現実を受け入れきれていない私たちにそんな当たり前のこと自体がわからない状態だったのかもしれません。
全般てんかんと焦点てんかん
先生から「脳全体が一気に興奮するてんかん」と「脳の一部が興奮してしまうてんかん」の2種類があると説明をいただきました。
当時の私からすると「どっちでもいいから、早く検査をして息子に合う薬を出してください・・・」と心の奥で思っていたのを覚えています。ただ、今思い返せば、それぞれのてんかんの難しさ、症状を理解した上で、一つずつ検査で何がわかるかもっと理解しておくべきだったと思います。
薬の種類〜第一選択薬と第二選択薬というものがあるらしい〜
てんかんの種類自体よくわかっていなかった私たち夫婦ですが、薬もどういったものがあるのか理解できていませんでした。
そんな中、先生からは第一選択薬として5薬あり、第二選択薬としても5薬ほどあります。という説明をいただきました。
既に第一選択薬と言われる中の「イーケプラ」は前の病院から処方されていたものの発作は減っていなかったため、効果はないのかな、、、となんとなく感じていました。そろそろ違う薬にするのかな〜?なんて呑気に考えていたのが私です。。。
薬で効き目がある=発作が50%削減される
10%でも20%でも発作が減れば、その薬の効用はあったと考えるものと勝手に考えていましたが、先生からは「50%以上、発作が削減されたものを効果があったと定義しています」と説明をいただきました。
と軽〜〜い考えをしていました。
一方、先生からは
と説明をいただきました。
とお伝えをしました。
さらに、説明をしていただいている時点でイーケプラは約1週間前から飲んでいるのにも関わらず効き目が出ていない(発作は10%も下がっていない・・・)状態だったため、私の頭では(イーケプラはもうだめじゃん・・・)と考えていました。。。
薬を2剤試しても効かなければ「難治性てんかん」となるらしい・・・
さらに先生からは
とお話しをいただきました。
私からすると、、、難治性てんかん=一生治らないてんかん=かなり厳しい戦いになる、と勝手に思い込んでしまい、この話を聞いた途端に血の気がひいたのを覚えています。
しかも、息子は既に1剤目の効き目がなかった状態なので、次がダメなら・・・・ということ・・・!?となります。
帰って調べてみても、1剤目で効果がある患者さんはおよそ全体の半数、2剤目で効果があるのはおよそおの半分、3剤目以降となると効き目がある患者さんは数%、、、、残りは薬の耐性があるため、それ以外の対処を検討すべし、、、といった記事を見つけ、また血の気が引いてしまったのでした。。。
入院してからの目まぐるしい毎日
早速始まった入院生活、、、、とはいっても、順調に行くはずもなく、あたふたあたふたと毎日が過ぎていくのでした。。。
入院1週目(5/8〜14)
検査だらけで疲れ果てる息子氏
入院してすぐに始まったのが脳波の検査でした。前の病院でも30分ほど検査をしましたが、今回の病院では病室に固定カメラを付けていただく事ができ、24時間体制で発作の状態を記録する事ができるものでした。
こんなに頭がベタベタで長い時間検査するんだから、少しは結果でなにかわかってくれ〜〜と思いながら見守るしかありませんでした。
脳波検査により焦点発作のタイプと判明
そして脳波の検査が終わると先生から
とのお言葉がありました。
と理解する事ができました。
ただ、ちょうどイーケプラも焦点てんかんに効く事が多い薬だったようで、それに効果がない今の状態はまずいのでは・・・・?とも感じていました。
MRI、髄液検査、血液検査では異常無し(進展無しということ・・・)
脳波だけでなく、MRIや髄液検査も一生懸命こなす息子でしたが、結果はいずれも問題なし、、、
(後から考えると、実はMRIでも見る人によっては悪い箇所がわかる状態であったのですが・・・)
あっという間に検査は終わったものの、わかったことは「焦点てんかん」ということだけ。。。
この病院にくれば、最新設備で病気の原因もわかって、効く薬もすぐに処方してもらえるんだろうなぁ〜と漠然と考えていた自分が馬鹿だった・・・そんな甘い世界じゃない、そんな甘い病気じゃないんだ〜〜と痛感しました。
そして最大量でも効かなかったイーケプラ
そしてしれっと最大量まで増量をしたイーケプラですが、残念ながら息子との相性は合わなかったようで、効果は見られませんでした。そして、次は「ピムバット」を処方されることとなりました。
5月15日時点では1日の発作の回数は15回ほど、発作の持続時間は50秒ほどとなっており、1日数回だった頃がよく思えるほど、気がつけば状況は悪化していたのでした。
入院2週目(5/15〜21)
そしてあっという間に来てしまった入院2週目です。
息子も少しずつ病院になれてきたのか、病院のおもちゃスペースにあるおもちゃを病室に持ってきて遊んでみたり、少し元気があるときは一緒にフロアをお散歩してみたりと、少し余裕が出てきました。
親である私も、少し同室の親御さんとおしゃべりをしてみたり、看護師の方とコミュニケーションを取れるようになってきたりと、少しずつ環境に慣れていってきたタイミングでした。
ただ薬の状況はというと・・・・
ピムバット・・・効果出ないどころではなく、悪化・・・
※青い縦棒グラフ:7:00~19:00の発作回数
※黄色い縦棒グラフ:0:00~24:00の発作回数
メモ
結論から言うと、ピムバットは息子の体に全く合わず、発作の回数を1日15回→26回まで増幅させてしまいました。
薬も最大量まで試さず、5月15日〜19日の5日間で中量までで取りやめとなりました。
ピムバットを投与中の息子は眠気で日中は常に眠そうで、これまで発作がない時間は元気に遊ぶ事ができていたものの、この薬の投与中は横になっている時間も長くなってしまいました。
おそらく、発作の回数も増えてしまい体力的にかなりきつい状態であったのだと考えています。
親である我々も教訓になりましたが、薬によっては薬を変えたタイミング、増量したタイミング、減量したタイミングで発作を悪い状態にしてしまうものがあるようです。
もう少し長い期間でみれば発作が増えた後にまた落ち着く可能性もあるかもしれないものの、今の息子の発作の回数的に、増えた後の減るタイミングをまつほど悠長なことは言っていられないと判断され、ピムバットはすぐに取りやめとなったカタチです。
息子は難治性てんかんでした
そして気がつけば入院してから2週間(前の病院も入れれば3週間)が経ち、イーケプラ・ピムバットの2剤が効かない=息子は難治性てんかんであるという現実が目の前にたたきつけられました。。。
つまり、もう3剤目以降で薬が効く可能性は数%・・・目の前が真っ暗になった気がしました。
入院した時は周りのみんなだって頑張っている!前を向こう!と豆向きになれたはずなのに・・・・人間って本当に弱い生き物ですよね・・・・
調べても悪いことしか考えないため、いろいろインターネットで調べないようにしていたのですが、また調べてしまいました。
でもネットには「焦点てんかんには手術ができる場合がある」という文字、そして薬用大麻の一種であるCBDオイルを用いることで発作が抑えられているお子様もいる。という記事も目にしました。
目の前は真っ暗になっても、どこかに灯りはある。そんな事を考えるように、少しでもポジティブに前に向きになれるように意識的に考えるようにしていました。
少し効きそうな薬がある・・・という先生からのお話
そして難治性てんかんという現実を目の前にされて落ち込んでいたものの、先生からは「
と話がありました。
と思ったものの、先生は
とのこと。
つまり、息子が検査を頑張ったおかげで、すこし息子のてんかんの症状と先生の知識がうまくからみはじめた!!のです!!
ということで、今回は息子が2つ目の病院に入院してから、難治性てんかんと診断されるまでをブログにしてみました。また次回は静岡の転換センターに転院するまでを残してみようと思います。
1話
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「てんかん1話」子供がてんかんと診断された日のこと
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2話
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「てんかん2話」救急車で緊急搬送、入院生活のはじまり
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