てんかん

「てんかん4話」4剤で効果なし、静岡への転院決定

先日、てんかんと診断されるまでの話を1話に、

1話

no image
「てんかん1話」子供がてんかんと診断された日のこと

続きを見る

診断された後すぐに夜中に全身強直の発作を発症し、入院するまでを2話に、

2話

「てんかん2話」救急車で緊急搬送、入院生活のはじまり

続きを見る

その後、2つ目の病院へ転院、検査に続く毎日と2剤(イーケプラ、ピムバット)が効かなかったところまでを3話に

3話

「てんかん3話」薬を試す日々、難治性てんかんと診断されるまで

続きを見る

それぞれブログに残してきました。

今回は、5月8日から入院している病院での3週目、4週目にあったことを残そうと思います。

ポジティブに考えられなくなる目の前の現実

入院3週目(5/22~28)

図:1日あたりの発作回数の推移
※青い縦棒グラフ:7:00~19:00の発作回数
※黄色い縦棒グラフ:0:00~24:00の発作回数
図:1回あたりの発作の継続時間

メモ

上記図の発作を7:00~21:00と0:00~24:00に分けているのは、親が付き添いしている時間と看護師さんに任せている時間で分けているためです。看護師さんもかなり多忙なため、100%全て見切れている訳ではないという考えのもと、発作の増えた減ったの判断を”親が”考える時は、日中の7:00~21:00の回数を基に判断していました。

3剤目トピラマート投与開始

2週目にピムバットを使用したものの、発作の回数が悪化してしまったのち、次に選択された薬がトピラマートでした。

前回のブログにも書きましたが、睡眠を誘う薬を投与した際に効き目が良かったことから、成分のにたトピラマートが3剤目として選択されました。

ただし、事前に先生からは

先生「やはり一般的に2剤目までで薬の効果が現れない場合、3剤目からで急に効果が出てくる可能性は薄いです。」

というお言葉をいただいてから、投与が始まりました。

kasa
おそらく、先生としても効果が出る可能性が数%であるとわかっている上で、期待し過ぎないでほしいという思いがあったのだと思います。

また、トピラマートは副作用に「眠気」「めまい」「食欲減退」などがあるようで、特に眠気とめまい(ふらつき)には悩まされました

少し元気がありそうかな?という時は病室を出てフロアを歩かせたりしていたのですが、それもふらふらしてしまい、うまく歩けない状態。また、本人自体が体力も落ちていることもあり外に出たくないような状態になってしまいました。

 

1日50回〜60回に増えてしまった発作

2剤目のピムバットの際になり体力も落ちてしまい、発作の回数が増えてしまったこともありましたが、トピラマートの服用時も状況は変わりませんでした。

特に発作の回数については1日あたり日中7:00~21:00だけでも最大50〜60回ほどまで増えてしまいました。

それにより、1日の過ごし方もかなり変わってしまい、

ある日の1日の過ごし方

・0:00~7:00 睡眠:2Hおきに起床し、それぞれ3回ずつほど群発発作

・7:00 起床、朝食

・7:00~9:00:ご飯を食べながら15分おきに発作群発

・9:00~11:00:お昼寝(発作で疲れ切ってそのまま入眠)

      ※お昼寝中は発作がない事が多い

・11:00~13:00:起床後、発作群発(15分おきに発作)

・13:00 昼食

・13:00~13:30:少し元気がでたのでYoutubeを見て過ごす

・13:30~15:00:発作群発(15分おきに発作)

・15:00~17:00:お昼寝(発作で疲れ切ってそのまま入眠)

・17:00~19:00:夕食を食べながら15分おきに発作群発

   ※ご飯も残す事が多くなった(こでまでは完食していた)

・19:00 睡眠

   ※通常時は入眠は21:00ごろでした

・19:00~24:00 睡眠( 2Hおきに起床し、それぞれ3回ずつほど群発発作)

という感じになってしまっていました。

いつもとと違う点

・ご飯を食べない

・お風呂に入れていない(体温上昇で発作誘発を防ぐ)

・寝ている間も群発で体力減退

・しゃべることができなくなってきた

・歩けない(かなりふらつく)

 

kasa
起きている時間は15分おきに発作が出続けていたので、本人も「いつ発作が来るか」びくびくしているような雰囲気で、元気もなくてみていられない状態でした

ちなみに特に状態が悪い時は20分の間に4〜5回ほど群発し、1時間で10回程度の発作があったこともありました。

ほんとに先が見えない真っ暗闇に入ってしまったような気持ちで、妻と一緒に毎日をなんとか乗り越えていました。

ちなみに、この時の発作のかたちは典型定期なフェンシングポーズをとっていました

同部屋になったKちゃんとの出会い

そんな中、唯一の救いは同部屋に同い年の男の子Kちゃんの存在でした。

これまで同部屋だった子たちは言葉を発するのが難しい仲間たちでした。そのため、病室で聞こえるのは親たちと看護師さんの声、そして息子と私の声くらいでした

もちろん目振り手振りでコミュニケーションを取ることはできたのですが、息子はまだそれが難しく、息子がコミュニケーションを取れるのは親である私たちと看護師さんだけだったのです。

kasa
今思えば、3歳児の息子からしたら喋る相手が大人だけだった状態なんですよね。入院前までは保育園で毎日友達と楽しんでいた訳ですので、悪い意味で病室を非日常的空間だなぁと感じていたんだと思います。

加えて、病状が悪くなっていったことで、おしゃべりが大好きだった息子は喋らなくなり、ベッドからも離れられなくなってしまっていました。

そんな中、Kちゃんの存在により少しずつ、少しずつ、息子にも笑顔が戻ってきたのです。

Kちゃんも最初は寝たっきり、喋ることもできない状態でしたが、少しずつ笑顔でおしゃべりができるようになっていました。

kasa
今思えば、息子がまだ少し元気があった入院2週目終わりの時は「息子からKちゃんへ喋りかけ」、そして3週目に入り息子がきつい状態になった時は「Kちゃんが元気になり、Kちゃんから息子へ喋りかけ」ていたように感じます。

お互いに辛い時と良い時でフォローしあっていたのかもしれません。

 

ちなみに、今(7月下旬)はこの病院から離れていますが、いまだにKちゃんはどこにいるのかな・・・?と息子から喋りかけてくることもしばしばあります。Kちゃん元気かなぁ・・・親御さんと連絡先を交換しておけば良かった・・・

入院4週目(5/29~6/4)

図:1日あたりの発作回数の推移
※青い縦棒グラフ:7:00~19:00の発作回数
※黄色い縦棒グラフ:0:00~24:00の発作回数
図:1回あたりの発作の継続時間

メモ

上記図の発作を7:00~21:00と0:00~24:00に分けているのは、親が付き添いしている時間と看護師さんに任せている時間で分けているためです。看護師さんもかなり多忙なため、100%全て見切れている訳ではないという考えのもと、発作の増えた減ったの判断を”親が”考える時は、日中の7:00~21:00の回数を基に判断していました。

 

トピラマートは少し長い期間をかけて試してみたものの、結局効果が見られることはありませんでした。

むしろ、5月頭で数回だけだった発作の回数は50回以上となり、ついに4剤目を探さなければならない状態となってしまいました。

突然の個室へ呼び出し

3剤目のトピラマートが効かないな・・・そんな状態の時、

突然先生から、個室に通され、

先生「睡眠導入に用いた薬と似た成分を持つ薬がもう一つあります。そして、この薬が効かなかった場合はもう薬が今後も効かないことを想定しておく必要があります」

急に先生から改まった話が来てしまったため、私たはまだあるから、それを試してみるのではないのですか・・・?[/st-kaiwa1]

先生からは追い打ちをかけるように

先生「手術を検討する必要があるということです。当病院では手術はできませんので、東京にあるてんかんセンターで手術ができるかどうか、より精密な検査をすべく転院も念頭に考えてみるのはいかがでしょうか」

と・・・

内心(県内でもトップのことも病院でお手上げってこと・・・?もしかして、息子の1日50回もあるこの発作は治らないってこと・・・?)
kasa
内心(この前MRIを撮った時に、手術できる!って即答できなかったってことは、手術もできないってことだよね・・・今は言い方を誤魔化すしかないレベルにやばいってこと・・・?)
kasa

と頭の中を駆け巡りました・・・

とりあえず私たちは

少し帰ってから考えてみて、明日回答でもいいですか・・・?
kasa

としか言えなかったのです・・・

静岡てんかんセンターと国立てんかんセンターで悩み、答えは・・・

元々私の頭には上記のツイートがあり、万が一手術が必要なら静岡のてんかんセンターだよな・・・と思っていましたので、帰ってから妻と隅から隅までに調べ静岡と国立で比較しました。

正直、素人の私たちからだと病院間の先生の腕なんてわかりませんので、実績でどうか、口コミでどうか、を比較するくらいしかできません。

Googlemapでの口コミや、ネットの病院の口コミ、患者さん・親御さんが残しているブログ、いろいろ読み漁り、

素人なりに出した結論は

「静岡てんかんセンター」

でした。

 

決め手はなんと言っても手術件数が多かったことと、長い付き合いをしていきたいと思える人情味がありそうだったためです。(どこからそれを感じ取ったんだよ。というのが今となっては思います。。。笑)

国立のほうが自宅からは近くメリットもあったのですが、国立の病院に関するブログなどはあまり見つけられず、患者の方達の「本音」がネットからは読み取れなかったためです。

この時に皆様のブログにかなり助けられたので、今度は自分も役に立たないと!!ってこのブログを残すことにしたのが始まりです!

先生にそのことを話すと

先生「わかりました。静岡てんかんセンターに連絡をしてみます。医者からすると、静岡も国立も同じてんかんセンターですので、どちらに優劣があるということはありません。」

と話をいただきました。

一応聞きたかったことも聞いてみました

ちなみに、先生的にはどちらの先生の方が腕が良いとか、何かお考えはありますか・・・?私たちには知見がないため、アドバイスをいただきたいです
kasa
先生「正直、どちらも大きな病院ですので優秀な先生が多いですが、もしかすると患者さんがそう感じない先生もいらっしゃるかもしれません。また、どの先生が担当になるかもわからないので、やはりどちらに優劣があるというのはありませんよ」
答えにくい質問をしてしまいごめんなさい。ありがとうございます。それでは静岡てんかんセンターでお願いします
kasa

ということで、静岡てんかんセンターへの転院が決まるのでした。

4剤目フェノバルビタールを1日で最大量投与

そんな転院の話をしている中、ついに4剤目の投与の日となりました。

なんとなくわかってはいましたが、結果は「効果なし」でした。

点滴で10:00ごろに投与をし、

先生からは

先生「丸々1日発作が出なければ効果があるということになります。とにかく強い薬ですので、注意してみてあげてください」[/st-kaiwa3」

[st-kaiwa3]先生「他の薬が段階を追って薬量を上げるのに対し、これは一度に最大量を投与するため、体への負担がかなり大きいです。人によっては1日・2日くらいは眠気と疲れで寝たきりとなることもあります」

と話をいただいていました。

 

11:00、12:00と息子は寝たままの状態、でも普通の寝方ではなく、どこか「寝かされている」ような違和感のある寝方をしていました。

ずっと隣で

kasa
内心「どうか効いてください・・・・」

と手を合わせて祈っていました。

 

この時間は本当に生きた心地がしなくて、息子がすこし眉をぴくっとさせただけでも、私の心臓が「ビクッ」とするのがわかりました。

そして順調に13:00を迎え、

妻とは

「深夜を通しても最近では4時間も通して寝たことなかったよね!?これって効いているのでは・・・?!」

と喜んでしました。

 

ただ、13:30ごろ、

突然、いつもの発作が来てしまったのでした。。。

 

発作が来るのは嫌なことだし避けたいことなのにも関わらず、4時間半祈り続けていた私はどこかほっとしてしまったような、変な感覚に襲われたのを覚えています

 

結局、そのあとは「いつもよりは少ない」ものの、発作は群発、先生からも「効果は見られず」の判断がおりてしまったのでした。

効果は無かったとわかったのにもかかわらず、最大量投与したため、その後も1日は寝たっきり(うとうと体は起こしご飯はたべました)の状態が続き、いつまでこの病気との戦いが続くのか・・・と弱気になってしまいました。

5剤目バルプロ酸ナトリウムを投与開始

そして静岡てんかんセンターへの転院の日程が「6月7日」に決定しました。

先生からは

先生「転院までの間、できる限りのことをしましょう。1週間程度で最大量まで増やす事ができるバルプロ酸ナトリウムを試してみましょう。」

と話をいただきました。

親としては、もう手術ができることを祈るしかない、はやく静岡に行って検査をはじめたい。という思いが強く、バロプロ酸ナトリウムにはあまり効果は期待していなかった、というのが本音です。。。

ただ、この薬が頑張ってくれるのでした。本当に感謝。

【良い兆し】5/27前後の最悪状況に比べると状況は改善傾向

バロプロ酸ナトリウムを投与してから、急に発作の形も発作の頻度(群発の仕方)も変わりました。

これまで、起きている間はずっと発作が起きっぱなしでしたが、発作が固まって群発するものの、発作がない時間もまとまってあるようになってきました。

ある日の1日の過ごし方

・0:00~7:00 睡眠:3Hおきに起床し、それぞれ2回ずつほど群発発作

・7:00 起床

・7:00~8:00:朝食

・8:00~10:00:おもちゃで遊ぶ

・10:00~11:00:発作群発(5回連発)

・11:00~12:00:おもちゃで遊ぶ

・12:00 昼食

・12:00~14:30:おもちゃで遊ぶ

・14:30:お風呂

・15:00~16:00:発作群発(5回連発)

・16:00~18:00:Youtube、遊ぶ

・18:00〜19:00:夕食

   ※ご飯も残す事が多くなった(こでまでは完食していた)

・19:00~20:30:発作群発(7回)

・20:30:入眠

・20:30~24:00: 睡眠( 3Hおきに起床し、それぞれ2回ずつほど群発発作)

という感じになっており、これまでの起きている間はずっと発作、というわけではなくなり、親としてはかなり改善傾向だ!!効いてる!!この薬は効いてる!!と実感がありました。

いつも通りと感じた点

・ご飯をいつも通りに食べてくれる

・お風呂に入れるようになった(体温上昇による発作誘発を恐れずにすんだ)

・発作がない時間が増えて「遊ぶ時間」ができた

・コミュニケーションがとれる。喋るようになった。

・少しなら走れるようになってきた

ちなみに、この時の発作のかたちは全身強直で突っ張るものの、1分ほどの発作の間に10秒おきくらいで一時的に意識が戻る事を繰り返していました

 

今回は入院3週目〜4週目をブログに残してみました。

発作の回数がかなり悪くなってしまい手術を念頭にした転院が決定するという、大きな変化点があったタイミングでした。

また、最後の最後で処方されたバロプロ酸ナトリウムが効いてくれたのか、少しだけ日常が戻ってきたタイミングでもありました。

 

次回はこの病院の退院、1日だけの自宅での生活、そして静岡てんかんセンターへの入院までを残そうと思います。

  • この記事を書いた人

kasa

アラサー男|息子たち誕生➡︎教育費(1400万)に不安絶頂➡︎資産運用がんばる➡︎息子氏てんかん診断➡︎家族一致団結で乗り越えるぞぉぉぉ!!!|パパママさん一緒に頑張ろう |同じように難しい病と闘う本人とそのご家族の皆様と繋がれますように

-てんかん

Copyright© kasablog , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.