【初心者向け解説】ドルコスト平均法とは〜4個の例から理解する〜
こんにちは。kasaです。
さて先日、下記のツイートをしました。
#ドルコスト平均法 を理解する ・積立期間に評価が下がり続けても平気? ・ほったらかし投資でいいの? ・負けにくいってほんと? ・ #つみたてNISA は20年寝かせるだけ? 「深く」理解してこの疑問を 「論理的」に解決しましょう レッツ脱 #投資初心者 レッツ受動投資 #ブログ書け
これまで資産運用に関する記事を20本ほど執筆してきました。
様々な投資において知識として認識しておくべきものの一つとしてドルコスト平均法があります。
理解できているようで、深くは理解できていない気がする「ドルコスト平均法」についてまとめることにしました。
大抵メリットしか焦点が当たらないドルコスト平均法ですが、今回はデメリットにも触れる事で、既にドルコスト平均法はご存知の方もそうでない方も新鮮な視点で記事をご覧いただけると思います。
ドルコスト平均法とは「毎日コツコツ積立」のこと
わかりやすく概要を解説してみる
まずはじめに、そもそもドルコスト平均法って何?という方のために、ざっくり解説します。
ドルコスト平均法とは下記条件によって行う投資方法を指します。
- 何を:価格が変動する金融商品について一定の金額分を
- いつ:定期的に
- どうやって:購入し続ける
一般的には上記条件で購入し続けると、
- 損をしにくい
- 株価の上下に影響を受けにくく、いつ買い始めても損をしにくい
のようなメリットとがあると言われています。
4つの例からドルコスト平均法を理解する
前提条件
例を挙げるにあたっての前提条件を決めさせてもらいました。
今回はつみたてNISAで実施している方にイメージしていただきやすいようにな前提条件としました。
- 積立金額:3万円(/月)
- 積立期間:30年間
- 比較対象:一括投資
比較対象を一括購入による投資とさせて頂きました。
ドルコスト平均法では定額を定期的に購入し続ける方法を指しますので、対比的にある一括購入による投資を比較対象としています。
例1:価格が上がり続けた場合
一つ目の例として、株価が上がり続けた場合の例をみてみましょう。
結論から申しますと、上記画像の通り、一括購入の方が得をしています。
一括購入で株価が右肩上がりで上昇した場合、株価が最安値の際にMAX数量の株数を購入できたことになります。そのため、条件としては一括購入の最高の条件がそろった状態になります。
一方、ドルコスト平均法では株価が安値の際に購入したものが最終的には値上がりして高値で終わるものの、一定額を定期的に購入していますので、一括購入には敵わない結果となりました。
例2:価格が下がり続けた場合
2つ目の例として、株価が下がり続けた場合をみてみましょう。
結果は上記画像の通り、ドルコスト平均法の方が得をしています。
一括購入の場合、株価が最高値の際に全数を購入したことになりますので、今回の例では一括購入にとっては最悪の条件となります。
一方、ドルコスト平均法では、株価が右肩下がりであるため最終的には損をしているものの、一括購入に比べるとリスク分散ができている事が確認できます。
今回の結果より、ドルコスト平均法では株価が下降している局面において有効である事が確認できます。
今回は購入口数についてはグラフにいれていませんが、株価が安い状態でドルコスト平均法を用いると、安ければ安いほど大量の口数を購入する事ができます。
この後株価が上昇した場合は、さらにドルコスト平均法が活きてきます。
例3:価格が一度上昇した後に下降する場合
3つ目の例として、一度価格が上昇し、その後加工していく例をみてみましょう。
結論は上記画像にて確認できますが、一括購入が得をしている事がわかります。
ここで注目して欲しいのは、加工し始めてから最後加工し切るまでの評価金額の推移です。一括購入の評価金額については一直線で加工していくものの、ドルコスト平均法では、加工するどころかプラスマイナスゼロで推移している事が確認できます。
このことから、やはりドルコスト平均法は株価が下降している際に有効である事を再確認できました。
例4:価格が一度下降した後に上昇する場合
4つ目の例として、価格が下降した後に上昇していくパターンをみてみましょう。
結論からみると、上記画像の通りドルコスト平均法が得をしている事がわかります。
例2・例3で確認した通り、ドルコスト平均法は株価が下降する局面において有効となります。今回の例により、これに加えて株価が下降した後に上昇した場合に特に効果を発揮する事がわかりました。
これは
- 株価が下降していく際に口数を多く購入できる
- 株価が上昇するにあたり、大量に購入した口数が一気に価格上昇
という状況が発生するため、効果を最大限に発揮できるようです。
例から読み解くドルコスト平均法が得意な条件・苦手な条件
得意な条件
これまでの例から、下記2点の得意な条件がわかりました。
- 株価が下降していく条件(得意)
- 株価が下降後、上昇する条件(超得意)
となります。
株価の状況にかかわらず、定額を定期的に購入していくのがドルコスト平均法になりますので、”やめ時”によって得意な条件を無理やり作り出すことはできそうですね。
ドルコスト平均法のメリットとは
本来、価格が下降すると評価額は下がりますので、ドルコスト平均法を実施する投資家の方にとっても良い話ではないはずです。
ただし、ドルコスト平均法を用いる事でこれからの上昇に備える形として、リスクを最小限にできます。
つまり、ドルコスト平均法の最大のメリットは株価が下降した際のリスクの最小化ともいう事ができます。
苦手な条件
例より把握した条件として、
- 株価が右肩上がりの場合(苦手)
- 株価が右肩上がりの後、下降した場合(超苦手)
となります。
得意な条件と同様となりますが、苦手な条件についても”やめ時”を意図的に変えることで避ける事ができそうですね。
ドルコスト平均法のデメリットとは
最大のデメリットは「短期間で一撃必殺のリターンは期待できない」点にあると考えています。
ドルコスト平均法のモットーは
- 長期的にコツコツ積み立て
- 「負けにくい」投資
- 局所的には負けていても長期的にみたら負けない
という点です。
つまり「短期間」「一撃必殺のリターン」というのはドルコスト平均法の対角線にいる投資であり、ドルコスト平均法では期待することはできません。
短期間で一撃必殺?〜FXでドルコスト平均法〜
例外的な方法ではありますが、FXの売買でドルコスト平均法を用いる方法があります。
ドルコスト平均法では長期的な投資が好ましいですが、少しでも短期的にリターンを狙いたい場合はこの方法もあります。
個人的にはお勧めしないので深くはまとめませんが、FXで同じように「定額を」「毎日」買い続けるだけです。
投資に活かすには
ドルコスト平均法の得意分野を伸ばし、苦手分野を最小にするための方法を考えてみましょう。
例を挙げると、つみたてNISAであれば20年間積立が可能ですから、15年経過したあたりから状況を静観する事で最適化された条件で資産運用ができそうです。
15年経過したあたりからトータルで見た時に右肩上がりの状況なのか、右肩上がりの状況なのかを把握し、右肩上がりの状況であればその場で打ち切る。一方、右肩下がりの状況であれば次の上がるタイミングがチャンスですので、チャンスを見極めた上で株価が狙い目まで上がったタイミングで打ち切る。
単純ですが、この2点を頭に入れておくだけでドルコスト平均法の強みを最大限に活かした投資法を実行する事ができそうですね。
まとめ
今回はドルコスト平均法に絞って記事を執筆しましたが如何でしたでしょうか?
私を含め、皆さん理解していらっしゃるようで、理解し切れていない部分があると思います。
今後も投資を行う際には基礎に立ち帰り、資産運用していきましょう。